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第7回
工学部安全衛生管理室主催 企業安全見学会 見学記
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第7回特集は9月13日に工学部安
全衛生管理室主催で開催された企業安全見学会です。今回のレポートは、電気工学専攻高田康宏さんの作成によるもので
す。技術部HPでは、今回のような技術職員のイベントや研修への参加報告、各職場の紹介記事などを受け付けております。技術部HPへの掲載の希望がござい
ましたら是非ご投稿ください。ご要望や質問などは「お問合せ」または「掲示板」までご連絡ください。 |
工学部安全衛生管理室主催
企業安全見学会 見学記
1.目的
今回の目的は工学部で働く人が、安全体感教育を通じて通常業務の中
にある、危険性について実際に体感することにより安全に対する意識を高
めて、災害を未然に防ぐ為のものである。
注意事項:当日体調不良の人は参加できない。
今回は、半日コースに参加。各コースは40分毎に区切られており、
5分の休憩が入れられている。
1-1.高所危険体感
・安全帯ぶら下がり、高所墜落、高所歩行、梯子 他
1-2.
電気危険体感
・高圧電気、低圧電気、静電気、トラッキング現象 他
1-3.
玉掛け作業危険体感
・手指挟まれ、吊荷落下、荷振れ、当物落下 他
1-4.
回転体危険体感
・回転体巻き込まれ、グラインダ作業 他
1-5.
その他危険体感
・重量物手持ち運搬時腰痛、台車運搬、酸欠、粉塵 他
参加者は総勢18名
2.交通手段、所在地
今回はバスを貸切。本郷の正門前から出発。
帰りは正門前まで。

所在地は、日立製作所 日立事業所 OK棟 安全体感教育センタ
JR常磐線日立駅から徒歩で10分ほど。
3.半日コースのスケジュールについて
当日は13:00に日立製作所日立事業所OK棟安全体感教育センタに集合。
10分ほどのオリエンテーションを経て、教育時間へ。
この教育時間に安全体感教育を行う。
講師陣は工場OBが担当し、経験などを聞くことが出来る。
4.安全体感教育
各危険体感について写真で説明する。
事前に安全靴のサイズを申請していた為、安全靴を借りられた。
今回用意していただいたのは、ヘルメット、保護メガネ、安全靴である。
安全靴は事前にサイズを申請。教育内容によってはその場で新たな装備を借りられる。

ヘルメット、保護メガネ
安全靴
4-1.高所危険体感
・安全帯ぶら下がり、高所墜落、高所歩行、梯子 他
工事現場を模擬した鉄塔から落下などの体験を行う。

中央奥、黄色の鉄塔が
体感施設である。
高所墜落危険体感
高所から砂袋を落下させ、その衝撃の様子を確認。

高所墜落危険体感
高所墜落危険体感
落下した砂袋
落下した砂袋
墜落するのは人だけにあらず。工具も落下するので、それが人体に
直撃したときを模擬。今回は植木鉢を使用。

陶器製の植木鉢を手に説明 上からモンキーレンチが落下

上からモンキーレンチが直撃
陶器製の植木鉢は袋の中で
割れていた。
高所での安全帯の使用について。安全帯は着用を間違えると、
逆に人体に損傷を与える。

安全帯のフックをレールに掛ける
安全帯のフックをレールに
準
備。
掛け、
準備OK。
4-2.電気危険体感
・高圧電気、低圧電気、静電気、トラッキング現象 他

頭上の電極を両手でさわり、
高電圧に対応した絶縁手袋
感電を体感する設備 など。
希望により、手に水を掛けてもらえる。
傾斜があるので、身長の違いに対応。

ドラムケーブルの不正使用による
温度上昇について実演。

電気火災の元になるトラッキング
コンセントに差し込むと、徐々
現象について、説明。電気コードの
に煙が出て最後には発火した。
電極間には埃を模した綿が付けら
れている。
高圧電線に近づき、感電の実演。
人形にソーセージ(人体の模擬)を持たせて、
高圧電線に近づけ、放電が起こる様子を確認。

ソーセージを持った人形が
高圧電線に近づきすぎて放電
高圧電線に近づく
人体に帯電した静電気による発火、火災の実演。

静電気でガソリンに着火
容量の足りない電線に過電流を流す。

放電容量の足りない電線に過電流を
熱を持ち、被覆がこげて煙が出る。
流す。

被覆が燃える。
テスターのレンジを間違えて燃やす。

電圧を測ろうとして、抵抗を
通電と同時に焼損。有害な煙が出る。
測る状態にしていた。
 
焦げたテスター
4-3.玉掛け作業危険体感
・手指挟まれ、吊荷落下、荷振れ、当物落下 他
重量物の運搬に必要な玉掛け
強度不足ワイヤーで荷を吊り上げる。

強度不足ワイヤーで荷を吊り上げ中。 途中でワイヤーが切れて荷が落下。
フックが暴れだす。

切れたワイヤー
強度が十分でも、当て具を使用しないと
角でワイヤーが傷つく

吊り荷の下に木材を入れる実習。
4-4.回転体危険体感
・回転体巻き込まれ、グラインダ作業 他

回転軸に布が巻き込まれる様子。
ローラー巻き込まれ体感装置
(棒が巻き込まれる)

床に置いたグラインダーが暴れる様子 回転レバー固定装置が外れて、
を見学。 ハンドルが高速回転するリフト。
4-5.その他危険体感
・重量物手持ち運搬時腰痛、台車運搬、酸欠、粉塵 他

台車の積荷転倒について実演。
5.感想
半日コースであったが、内容は充実しており
工場(工作室)、引越し(荷物の搬送)、実験室だけではなく、研究室での生活にも安全対策を施すための視点が
得られた。特に、一見わかりにくい、潜在的な危険について実演を見ることが出来た。ヒヤリハット事案が、もし事
故だったらという、その先を実際に見ることが出来た。普段は、もしこれが事故につながったらと、想像しか出来な
いが、その先を安全な形で実現することにより、その危険性を改めて深く認識できた。特に、高圧電気など目に見
えにくい形の危険について、深く理解が出来た。
2006年9月
協力:日立製作所
レポーター 高田
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