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今回の職場訪問は、工学系研究科の情報ネットワークの運営・管理を担当している情報システム室にお邪魔しました。我々も毎日お世話になっている割には、情報システム室の多彩な業務はなかなか外には見えません。今回は担当者として日頃のうっぷん・・・ではなく仕事ぶりを大いに語っていただきました。
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今回のメンバーは全員技術部HP関係者ですので気楽にお話下さい
島田)あることないことかっこよく書いてくれる訳ね(笑)
ないことはちょっと書けませんが、情報システム室の業務を広くご紹介したいということですので、よろしくお願いします。まずスタッフの紹介からお願いします
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スタッフの皆さん
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島田)情報システム室のスタッフとしては室長の保立和夫副研究科長。その下に渡辺晴光助教授、そのもとに山崎さんと私、島田がおります。あと、業務支援を民間から3人の方にお願いしております。室長含めて全部で7名のスタッフで工学系全体のネットワーク管理支援業務をしています。
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ご紹介できる範囲で結構ですが、まず島田さん、山崎さんのプロフィールからお聞きしたいと思います
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島田)出身は新潟です。東大に勤めたのはいつかな?覚えていない。卒業式が流れた紛争の年でしょうか?ここには高卒(国家公務員試験)初級で入り、そのあと夜間大学の電子工学科に通いました。そのころは皆さん通っていました。
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電子工学がご専門ですか?いまの仕事にドンピシャですね
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島田)そうなんですが、その頃の大学ではコンピュータの需要はあまりなかった。計数の森口研究室というところにいました。途中で情報専攻ができましたが、僕は計数に残りました。
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島田氏
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島田)FORTRANとか、言語はずっとやっていました。ミニコンの前の時代ですね。理学部一号館の時計台寄りにデータ処理センターというのがありました。教育用計算機センターの前身ですね。そこでトランジスタの計算機を自由に使わせていただきました。夏になると昼の1時から3時まではお休み。コンピュータが熱くなっちゃうから。そのあとミニコンもいじったし、マイクロプロセッサーの時代があって、パソコンになる前に。それを勉強しろというので、半年くらい電総研にいたこともあります。ハード、ソフト両方を勉強しました。
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島田)そんなになる?もうその位になるのかな。ボードを使って音声認識のおもちゃを作ったり。そんなのを使った学生実験もしていましたよね。
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島田)出たのは2000年。東京水産大の情報処理センターに行きました。正規の職員は私一人でした。あとは学生のアルバイトと民間に業務支援を一人頼んでいましたけれどね。キャンパス内のネットワーク全部と、コンピュータ教育用パソコンを100台位並べた講義もサポートして、全学のWebからメールからそういうサーバも全部管理していました。民間の技術者サポートがなかったらできないよね。学生のアルバイトじゃできない。
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光ファイバー端子
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島田)大学の統合がありましたが、今も同じような体制でやっていると思います。今は専従の技術職員が一人いるはずです。その頃はウィルスも大したことがなかったから、大学の入り口でスキャンしてチェックしていました。初めは良くわからなくて、エクセルのマクロがあると片っ端からはじいたりしていました。割と大変だったのが水産大学と商船大学の統合ですね。設備もそうですけど、キャンパス間ネットワークのためにブラックファイバ借り上げたりね。統合をやってから東大に戻りました。面白かったのは三つのドメインを併存させたこと。DNS書き換えるだけでよかったんだけど。ドメインを維持するためにJPニックに掛け合ったり。予算折衝で文科省に何回も足を運んだり、なんか変なことばかりやっていたよ。
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東大に戻られたときは直接情報システム室に来られたのですか
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島田)戻ってきたのは2005年、その時は総務課情報管理係でした。何もわからずに戻ってきて山崎さんの手下になりました(笑)。そのときはひとつの部屋に情報システム室と情報管理係が併存していました。
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山崎氏
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山崎)出身は岩手県です。広さは四国の面積と同じ位で陸中海岸のあるところです。海洋研の臨海実験場がある大槌の北の宮古というところの出身です。私はまず民間に勤めて電力設備を見ていました。電力設備を担当していたんですけれども、どんどんコンピュータが導入されて来るわけですね。それでコンピュータに興味を持ちだしたというのがこの道に入ったきっかけです。
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山崎)電力会社でなく電力設備を担当していたんです。監視システムとしてコンピュータがどんどん導入されてきました。当時は6万ボルトとかやっていましたけれど、徐々に、強電から弱電に興味が移ってきた。で、東大に採用していただいて、最初は総合試験所で電力設備をやりました。その後オンラインセンターに移って、やっとコンピュータの仕事ができたわけです。平成10年度に当時の広報・情報システム室に来ることになって、そこでホームページに足を踏み込むきっかけになったんですね。その当時から工学部のホームページは広報・情報システム室が担当していた。ということで広報もやっていたし、ネットワークもやっていた。それが丸9年。平成14年度から「広報」が取れて、今に至りますね。
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ネットワークとかHPの技術はその間に身につけたわけですね
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山崎)そうです。以前は一ユーザだったんです。オンラインセンターでは、ボランティアの学生が一緒に工学部ネットワークを面倒見ていたんですね。当時は同軸10BASE5(イエローケーブル)、10MBの時代ですからね。でもネットワークをボランティアの人たちに頼っていてはいかんということになり、情報システム室でちゃんと管理しましょうというのが流れなんです。
島田)どこの大学でも最初はボランティアが運営していたんだよね。京都大学でもちゃんとした組織ができたのは2、3年前です。
山崎)情報システム室に行ったらいきなり全部やれって言われてびっくりしましたね。総合試験所にいたときは建物の中だけ見ていればよかった。重大な障害もあるにはありましたけど、今はインフラですから止まることは許されないですね。当時はまだ止まっても少しは余裕がありました。最近は「スイッチを入れれば電気が点く」に近いイメージになんですよね。
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広報・情報システム室の頃はどのような体制だったのですか
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山崎)広報・情報システム室のトップに室長がいまして、その下に専任の助教授と講師が1人ずつ、あと技術職員が2人ですね。その4人で列品館2階で仕事をしていました。
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現在の工学系ネットワークはどのように管理・運営されているのですか
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山崎)工学系全体のイメージとしてはこんな感じです。年2回開かれる情報システム委員会と、その間スタッフ会議というのが毎月開かれている。会議ではいろいろな内容が話し合われています。ネットワーク関連報告、セキュリティ月報、先生方の研究実績をデータベースに移行するぞとか、そういう話をしています。過去の資料は全てネット上に置いていつでも見られるようにしています。
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図を見ると会議の準備だけでも大変そうですが、会議資料は全部情報システム室で用意するのですか
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山崎)そうです、ネットワークの状況を把握していただく必要がありますので。セキュリティ月報というものがありますが、これは今までにあった各研究室でのインシデントを集めた試料です。こんな事故が発生してますよ、気をつけて下さいね、という話をここでするわけですね。あとは予算の話ですね。こういった話が主に行われています。
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これらの委員会で話される内容の全てを実務面で支えるのが情報システム室ということですね
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山崎)この準備が大変なんですよね。特に年2回開かれる情報システム委員会はいろいろな話題が出ましてね。これは一番大事な委員会で、各専攻から意見が寄せられます。
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山崎)もちろんです。室長の下に小委員長2人、事務からも総務課に出席していただいています。
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情報基盤センターと情報システム室の役割分担はどうなっているのですか
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プロジェクタを使用しての解説
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山崎)イメージとしては建物の中は各部局で対応して、その間は基盤センターの管理ということになっております。例えば8号館と2号館の間は基盤センターが見るということになっております。
島田)でも山崎さんが最初にやっていた頃は工学部のネットワークは情報システム室が張っていたんです。工学部のネットワークのある一カ所で東大全体のネットワークとつながっていた。
山崎)Web上には我々が業務で使う資料が全部準備されているんですよ。IPアドレスかネットワーク構成情報とか。
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山崎)そうです、現場に行って各建物のネットワーク構成とかIPアドレスがわからないと仕事にならないんですね。
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山崎)例えば7号館のネットワークはどうなっているのかを見ると、何かあったらここにスイッチがちゃんと機能しているかどうかを見られるわけですね。あと、これが一番大事なので、パケットフィルタをここでやっているんですね。変なアクセスをされないようにここで防護しています。こんな感じでやっています。
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情報システム室として他にはどのような業務をされているのしょうか
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山崎)あとは工学部T、Eページの管理・更新ですね、ポータルサイトについては主に渡辺先生がメインに担当しています。あとパケットフィルタは結構重要ですね。不正アクセス等をこれで遮断していますから。新しいサーバを立ち上げると「そのパケット通すようにして下さい」という申請をしていただいてそこだけ通すようにします。例えばホームページ公開するからサーバを立ち上げたら、そこだけパケット通してあげるようにするというのがパケットフィルタです。
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情報システム室の業務範囲はどの位になるのでしょうか
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光ファイバーとサーバーの接続部
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山崎)我々の守備範囲は、建物でいうと全部で25棟あります。ネットワークを使っている研究室数が約400、情報基盤センターから割り当てられたIPアドレスの保有数が約12,000位ですね。固定アドレスとして割当て済みが約3,200、DHCP用としてプールしているIPアドレスが約2,800。ですから3,000台あるとDHCPのアドレス割り振れなくなってしまうんですよね。各建物のネットワークスイッチが約170台。それからDHCP登録されているのが1,800、だからですね、DHCP用のIPアドレスを1,800台で共用しているんですね。これが全体の規模ですね。
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島田)かなり大規模なほうだと思います。今は大きい企業でもIPアドレスの割当てを取れないんです。大学はネットワークの創成期からやってますので割と大きいエリアをもらえています。今IPアドレスを申請しようとするとサーバ+αしかとれない。あとは中ではプライベートアドレスでやってくれといわれる。
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説明中
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山崎)学内のLANも複雑化してきまして、前は工学部LAN一本で話は済んでいたんですよね。今は工学系だけでなくて他の研究科のネットワークも引き込んでますから。この2号館もそうですね。工学系、情報理工学系、情報学科。大きく分けて3つ。このネットワークをどう管理するかですよね。ということで、データベースによる管理をしています。先ほど出た研究室400というのはここからでてくる数字なんです。IPアドレス、MACアドレス、各研究室には必ず責任者と連絡先、あるいはその研究室で所有するIPアドレス、DHCP登録されているマシン名、あるいはハードウェアの種類とOSという形で、データベースにのっているわけですね。このデータベースが飛んだら我々はもうお手上げです(笑)。今はIPアドレスが欲しいとなったらHPで申請できますが、これは元々はボランティアの人たちが構築したものです。それを今は使っていて、まもなくウェブベースで簡単にできるような新しいシステムに入れ替わります。今やっている最中ですね。
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山崎)そうです、早くやりたいんですけど、去年の2月から新2号館のシステム構築に着手して、やっと落ち着いたかなと思ったらシステム量子のネットワークの切り替え、今は14号館のネットワークを全部改修しているんですよ。
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山崎)本当はもっともっとやりたいことはいっぱいあるんです、実はこのネットワークの管理の体制がですね、10年前のシステムでまだ変わらない。これを一日も早くユーザ側からも便利なように、我々としても管理に便利なように取り替えたいんですよね。
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今のマンパワーではちょっと難しそうですね。工学系全体の実務から、会議の資料作り、トラブル対応、新しいシステム構想までですからね
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結線作業中のサーバー
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山崎)例えばシステムの製作作業をしていよいよのってきますよね。そこにぽこっとメールが着信、見てみると「トラブル対応でどこどこに行かなくてはいけない」。それが多くてだいたい1時間位で仕事の優先順位が次々に変わるんですね。仕事をしているとまたメールが来て、本来1時間で終わる仕事が、最悪1週間位かかるケースがある。これが一番つらい状況です。連続した時間が取れないのがつらい。
だからすごく大事なことをころっと忘れちゃうことが良くあります。最近ではTページに求人募集案内の訂正がありました。もう公開しているわけですから早く直さないといけない、それをぽんと忘れる。そうすると「直っていない」と怒られる。「あ、忘れてた、ネットワーク止まっていたので、そっちに行ってしまった。」となる。
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山崎さんの上で仕事の交通整理をするか、山崎さんの下に細かい業務を分担してくれる人が必要ですよね
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山崎)今一番必要なのはフットワークと体力です。移動時間というのがばかにならないんですね。
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そういう意味で新2号館の9階に移転したのは不便じゃないですか
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山崎)確かにきついですね。以前いた列品館はどちらかというと端だったので。2号館というのは工学部の真ん中だからその点は良いんですが、9階というのがつらいです。8号館は我々にとって重要な建物なので、しょっちゅう行き来するんですが、あれ忘れた、これ忘れたと往復すると9階までの上り下りが結構きつい。列品館は2階だったので、その点では良かった。だからいちいち戻れないので我々はカバンの中に必要なものを詰め込んである。だけど人によってはカバンを見て、もう帰っちゃうの?とか、今頃出勤なの?と言われちゃうんですよね。
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ネットワークの仕事をしていて面白いエピソードなどありましたら
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笑えない話も…
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山崎)笑えない話というと、ネットワークは正常なのにサーバ室の空調機が壊れて工学部全体のネットワークが半日止まったというのがあります。一年位前にはサーバ室の温度が上がって火災報知器が鳴った事もあります。火事になったわけではないんですよ。それで約半日止まったことが2回。あちこちから扇風機借りてきてですね、部屋の温度下げました。窓がない部屋なんですよね。だから廊下から風を送って冷やしました。今は空調機増設したんでもう大丈夫です。
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ネットワークが止まるとたちまち電話がじゃんじゃん鳴り出すんでしょうか
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山崎)じゃんじゃん・・・というわけじゃないよね。
島田)反応がないので、みんな止まったのに気付かないのかな、と思うこともありますね。
山崎)新2号館が一番緊張しますよね。他の建物はだいたい工学部LANなんですよ。新2号館は先ほど申し上げましたように、他の研究科と機器を共用しているんですね。20台くらい。我々も新2号館にいてPCのウィンドウがポ、ポ、ポンと閉じちゃうんですよ。それってネットワークが切れてることになる。そうするとすぐ走っていって原因箇所を調べる。
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作業中の山崎氏
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山崎)そうですねぇ。完全に止まるケースと、重くなるケースがあって。重くなるケースが一番イヤですね。新2号館使い始めた当時ですけどやっぱりネットワーク障害が起きて、原因は9階の会議室というところまで確かめたんですよ。ガラス張りの部屋で明らかに原因とわかるルータが中に見えるんです。でも鍵が開かないので結局部屋の外でケーブルを外したんです。翌日冷静になって考えたらそこは我々の会議室で、鍵も自分達で持っていたんです。まだ入居してすぐですから。自分たちの会議室だというのがわからなかったんですね。
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山崎)教育推進機構と共用の会議室だったんですね。ルータを逆に接続してそのまま帰ってしまった。
島田)そういう間違いは他でもよくあって、建物全部がおかしくなるという例は何例もあるから。
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あまりに簡単に建物全体が落ちてしまうんで、あれは何か良い対策はないんでしょうか
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山崎)それは対策を取り始めています。ネットワーク障害をなるべく狭くしないといけない。
今はそうならないように対策を取っているところです。注意を喚起するためにサイレンを鳴らしましょうかという話も出たんですよ(笑)。情報システム室でヘルメット買ってそれにサイレンをつけて廊下を走り回ろうかって、まじめに話したことがあります。
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火事や停電と違ってネットワークは見た目でわからないですからね
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顔で笑って、心で…
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島田)学内用の緊急車両を借りましょうか(笑)
山崎)家に帰ってからメールを見たくないですけど、ネットワーク止まっているというメールがたまに来るわけですよ。ユーザが困るじゃないですか。ほおっておけないので、出てきて夜中の暗い廊下を脚立もって「どこだ、どこだ」と走り回る訳です。これはさっき言ったようにフットワークと体力です。
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聞いているだけで頭が下がります。ネットワークを支えるというのは大変ですね
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山崎)これからはタフなネットワークを作らなきゃいけないし、さらに皆さん当然早いほうがいいわけですよね。タフなネットワークで高速化、プラスもっと利用形態が複雑になるのでそれに対応できるようにしていかなきゃいけないんですよね。でもさっき言ったみたいにひとつのメールが今やっていることすべてを狂わすんですよね。
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そういえば大事なメールが一週間近くかかって届くことがありましたね
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山崎)サーバの管理者に問い合わせてみてください、混み合っていて、サーバの中で出られないでいるんじゃないでしょうか。
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迷惑メールなら何ヶ月遅れてもかまわないんですけどね
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山崎)迷惑メールは1日で400くらいきますね。受信フォルダが2GBを超えて、止まってしまった。
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山崎)現在の課題は今言ったように、研究室の運用形態に柔軟に対応でき、かつ高速化、それから目の前に来ているIPv6対応というのもあります。Ipv6になると飛躍的にIPの数が増えるんです。OSもWindowsVISTAになっていくでしょうから。
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結線後のサーバー
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島田)どこかで変換はできると思いますが、とりあえずは学内でも両方のIPは共存すると思います。
山崎)その辺もどういう風に対応するか、考えなくちゃいけない。
島田)ネットワークそのものも早くなると思うんだよね。近いうちに基盤センターは10GBくらいサポートするのでは。今スーパーサイネットという特定研究課題だけに許可しているネットワークが、サイネットとの壁を取り除くといっているから。そしたらスピードがもっと上がるんです。それを学内の普通のネットワークまでどう反映させるか、基盤センターの考え方にもよると思うんだけどね。
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技術の進歩に従って次から次へと仕事が出てきて、いろいろな要望が出てきますね
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山崎)追いかけるのが精一杯です。将来を見据えた設備にしないといけないと思うんですけどね。スーパーサイネット化、IPv6の話とか、まじめに対応しなきゃいけないと思うんですよね。でも、そっちの情報もどんどん集めて、どういう体制をとらなきゃいけないかまじめに考えないといけない。でも残念ながら、復旧工事とかに時間を取られてしまっている状況です。
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お話を伺っているとパンク寸前という印象なんですが、どこかで対応を考えて下さっているんですよね
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山崎)今の工学系のネットワークをまずきちんと把握していないといけないですよね。普段からね。現状がこうだから、じゃ、こうしようよという話がなかなかできないのがつらいですね。
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後継者も養成しないといけないと思いますし、マンパワーを増やしていかないと対応しきれないように見えますが
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熱のこもった説明
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山崎)個人的なこだわりですが現場を見ていないと研究室からの問い合わせ、要望に対して細かい話ができないんですね。なるべくなら現場に足を運んで現状を把握しておく。そうするとものすごくまずい箇所がたくさんあるんですよ。よく動いているな、というところが。これ、どうやって使っているの?という箇所が。14号館にもあったんですね。今回きれいになるんですけれど。その前にもしネットワーク障害が発生したら、復旧するのに3倍時間がかかりますよね。きちんとしていれば、「あ、ネットワークつながらない、原因はこれだな」とぱっと対応できる。そういう風にしないといけない。それがやはり体力とフットワークにつながってくるんですよね。
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高いモラル(基準)で仕事をやっていただけるのは大変ありがたいのですが、体調に気をつけていただきたいですね
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山崎)これからは無線LANの整備なんですよね。今年もやりたかったんですけどもどうしても新2号館のネットワーク、8号館の引越とか入ってきて、手が回らなかったんですよね。それが悲しい。本当は無線LANって皆さん待ち望んでいると思うんですよ。
業務支援に民間から3人来ていただいてますけど、この人達がすばらしいですね。うちの職員として扱ってますね。
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もうご経験が長いので、東大の職員になっていただくという訳にはいきませんか
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人の話に移行してきたので、お聞きしたいのですが、技術的な課題はどんどん対応していかなければいけないのですが、サポートする側の人の体制整備というのも課題だと思うのですが、そういうのをもう少し組織的にやっていただくという構想はないのでしょうか
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情報システム室がある工学部2号館
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島田)情報システム室としては練っていないけど、技術部として今いるメンバーをどうやっていくのか、あるいは各建物のネットワークをもうちょっとそういうメンバーにやってもらうとかね。
山崎)建物の中は我々はわからないので手探りで部屋を探すわけですよね。この部屋が原因だってわかってもどうやって入ったらいいか、鍵はどこに借りたらいいのかわからない。つらいですよね。そういった部分で、情報システム室として閉じていると、いろんなユーザからの意見はなかなか入ってこないんじゃないかなと。だから各建物の中にそういった方がいらして「これおかしいよ、こうするべきじゃないの?」と言ってくれれば良いですね。もっともっと視野広げなくちゃいけないと思うんですよね。
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その辺は各委員会、システム委員会など、各専攻から出て話し合いをもたれている訳ですね
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山崎)問題提起していかないといけないと思うんですけどね。
島田)専攻CERTとか建前上はいるのよ。そこでどういう建物の管理をやるかというのはある意味ではそれぞれの建物が考えないといけない。全体を見るとなると、工学部執行部でしょうね。
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お二人
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島田)今はパソコンが必需品だから、ネットワークの知識やネットワークポリシーを全体として持っていただきたいですね。
山崎)今はひとつの過渡期ではあると思うんですよね。新2号館が落ち着けばね、またもう少し検討できると思います。この一年間ものすごい過渡期です。今まで考えられないような引越しがありましたし。
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でもこれからもずっと過渡期だと思うんですよ、お二人がパンクするのではと心配です
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山崎)新2号館は忙しかったですが、勉強になりました。新しく、比較的規模の大きい建物をやらせてもらえて貴重な経験になりました。0から、機器の選定から、完成してからのいろんな対応とかも。14号館のときはオンラインセンターにおりましたからね。あのころ6号館改修もしましたし、1300万円のスイッチを床に落として冷や汗をかいたこともあったな(苦笑)。置き場所がないうえに4、50kgもあったんですね。で、キャスター付の椅子で運ぼうとしたら落としてしまった。真っ青になりましたがでも何ともなかった。今だから言えるんですけどね。
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そろそろ時間になりましたので、最後に技術部HPに期待することなど
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島田)どっちもある程度身内みたいなものだからね。
山崎)これからもっともっとホームページをアピールしていってね、ここを見れば重要かつ有用で役に立つ情報を載っている、ということをアピールしていけばもっとアクセス数も増えるし、良いと思うんですけど。大変ですよね、ホームページってね。スタート時点で仲間に入れさせてもらってすばらしいと思いました。
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山崎)いろんな人の意見聞いていけばいいんじゃないでしょうか?さりげない一言って重要なことがありますよね。
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掲示板とかお問い合わせとか意見を反映させるところは作ったので、要望とか感想とかが来ると頑張ろうという意欲が沸きますね。本日はありがとうございました。
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インタビュアー感想
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- 工学系研究科にとって情報ネットワークは必要不可欠なインフラです。今回の取材では工学系のネットワーク規模の大きさを再認識するとともに、それを24時間支える体制が少人数で賄われていることに驚きました。情報システム室の皆さんのお仕事ぶりには頭がさがる想いです。健康に配慮して業務にあたっていただきたいと感じました。
- 今や水道や電気のように繋げば簡単に利用できるものと思っているネットワーク。
情報システム室で大変なご苦労をしているお二人からその実情をお伺いすると、日頃の便利さにその裏のご苦労などはすっかり忘れている我が身を改めて反省した。
物理的なネットワークの管理やセキュリティの確保などは時間を選ばないだけに、相当なプレッシャーが掛かっている。そんな中で日々ネットワークを正常に保つために努力されている皆さんには心から感謝申し上げたい。
義務はあっても権限はない、という言葉が印象的だった。
- 業務はとても大変なようですが、頼りになる力がご自身にあるというところがうらやましいと思います。かげの努力があってこそなのでしょう。努力が大事と実感しました。
- 情報システム室の業務が大変なことが改めて良く分かりました。せめてご迷惑をお掛けしないよう、日頃からネットワーク利用に関して自他共に注意喚起していきたいと思います。
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2007年3月1日 技術部室にて収録 |
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インタビュアー 山内, 川手, 小林, 畠山 |
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