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特集「THE技術職員」環境海洋工学専攻 強度実験室編

≪特集THE技術職員の目的≫
 研究科内の技術職員の業務を広く知っていただくための特集として「THE技術職員」の連載を企画しました。今回はその第一回として、一専攻としては工学系研究科の中最大の技術職員数を誇り、抜群のチームワークを誇る環境海洋工学専攻、強度実験室を取材しました。
 環境海洋工学専攻では強度実験室が中心となって、技術職員のホームページを運営しています。その中では、学内外に対する技術相談コーナーなど画期的な活動も進めています。今回の取材では、このように積極的な活動をしている技術職員のチームワークの秘密を探りたいと思います。

弥生門より工学部3号館
≪専攻と技術職員≫
 環境海洋学専攻は造船学科→船舶工学科→船舶海洋工学科→船舶海洋工学専攻と名称変更を経てできた組織で、非常に古い歴史を誇ります。技術職員数も多く技術発表会への共同発表でも分かるように、とてもチームワークが良いのが特徴です。また自前のホームページ「技術職員ネットワーク」*)を持ち、技術情報Q&Aなどユニークなコンテンツを運営しています。今回はホームページの運営を担当している渡邉技術専門員と吉田技術専門員を中心に取材させていただきました。
*)http://www.naoe.t.u-tokyo.ac.jp/member/staffs/tecnet.html


渡邊技術専門員
≪自己紹介≫
渡邉佐千雄技術専門員
 長野県出身。専門は電気です。初めて東大に来て実験室を案内された時は、暗くて汚くてどうしようかと思いました。以前私は材料関係の仕事をしてきましたが、実験で必要な計測器が高価なためと目的に合うものが無いため、数多くの計測器を自作してきました。そのおかげでコンピュータも黎明期から見ることが出来、ワンボードマイコンキットをアメリカから輸入して組み立てました。それにつないだテレタイプに最初に文字が打ち出された時は嬉しかったですね。それが今のホームページにも繋がっています。
今は専攻や技術職員、その他個人的なものを含めてたくさんのホームページの面倒を見ることになってしまいました。

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吉田技術専門員
吉田二郎技術専門員
 東京の下町出身。子供の頃は町の中を馬が歩っていました。高校は電子、大学では機械を専攻しました。東大の印象は環境が良いということですね。建物も装置も歴史と伝統があります。ただ何でもやらなければならないので、海外の大学の技術職員に比べて技術業務に専念出来なのと、給料が安いのが欠点ですね。


大変良い雰囲気の職場です
≪環境海洋の技術職員≫
 我々が環境海洋に入った60〜70年代には、3〜4の研究室に所属する10名以上の技術職員が1つの部屋に集まって仕事をしていました。今風に言えばプロジェクトチームでしょうか。昔は沢山の人手がないとデータ収集もできないので、大勢で協力して実験をしてきました。今はコンピュータ化が進んでその必要性も減ったこともあって、研究室毎に完全に分かれて業務を行う体制に移行しています。でも過去の遺産である技術職員の横の繋がりが今でもあるので、何かあるとお互いに助け合っています。
  編注)このあたりがチームワークの秘密でしょうか。


HP作業中
≪ホームページ≫
 計測装置やコンピュータなどを担当していたので、専攻のホームページ担当も渡邉が引き受けることになりました。ホームページは立ち上げが大変で、短期間に集中して作業を行わなければなりません。一人でやっていますので軌道に乗るまでは大変です。
 今は良いツールがあるので楽になりましたが、原稿が紙で来たりすると仕事量が増えてしまいます。技術相談コーナーは主に吉田が担当しています。学内外から多くの相談が寄せられています。企業からの問い合わせが多く、忙しい時は答えが追いつかないこともありました。これまでのQ&Aは全てホームページ上に掲載されています。
 最近サイト内検索を行えるようにして使い易くしましたので、過去のQ&Aを検索していただいてから質問していただけると良いですね。
 編注)インタビュー中、同専攻の森田技術職員より「技術情報Q&Aのコナーの回答は、森田分も含めて大部分を吉田が書いているので、森田が変な回答をしても誤解しないで下さい」とのコメントがありました。

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水槽
≪最近の業務≫
 渡邉技術専門員は昨年より研究室の配置替えがあり、教職員は教授を含めて二人だけの世帯となっています。(最近、秘書を雇用)現研究室には以前のような実験そして計測器の製作などは全く無くなり、現在は講演の多い教授のデータ作成や、演習実験全体の事務的な仕事、そして専攻ホームページの管理などに従事しています。「私も定年をあと一年後に控え、故障の多い身体に鞭打っています」とご本人よりコメントがありました。
 吉田技術専門員は現在生研の西千葉水槽で、多研究室にまたがる大型プロジェクトの実験を担当しています。テーマは大型船でも生還できない謎の大波「フリークウェーブ」です。
 これは未だ発生メカニズムが解明されていない船舶にとっては致命的な現象で、世界中の海域で起こっています。静かな海で突発的に起こり生還出来る船がなかったため、解明が遅れていました。今世界中の研究者がその究明に取り掛かっているそうです。


昭和33年製
400t構造試験機
≪技術部への期待≫
 技術部ができることには大変期待しています。環境海洋の「技術職員ネットワーク」で行っている技術相談のようなものが、技術部全体で行えるようになると良いですね。
 ただ大きな組織の舵取りをする人がいるのか、上手く舵取りができるか心配です。具体的には研究室や専攻の業務と技術部業務の割り振りや、個人ごとの仕事量の振り分けやその評価などですね。技術部を実際に動かすのは管理・運営共に大変だと思います。環境海洋専攻ではそれらのことも理由の一つとなって、以前あった技術職員の集団体制が、研究室に所属する縦割り組織に移行しました。
 新しく立ち上げる技術部には、大学の中で将来の技術職員がどうあるべきかを見越して、組織を構築することを期待しています。技術部ホームページ上で皆さんの意見が聞けるようになると良いですね。

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