東京大学大学院工学系研究科 技術部

業務内容

プロフィール

一般技術職員(20代) 所属:総合研究機構 勤続年数:8年

技術職員になったきっかけ

研究もしたいし、指導もしたいし、職人のように専門スキルも身につけたいと、ひとつに目標が定まりきっていなかったときに、技術職員という職種を知りました。幅広い分野の研究室と関わり、学生実習のサポートや装置や研究のスキルや技術の習得など、コミュニケーション能力と職人のような専門性両方のバランスが求められる希少な職種に魅力を大いに感じ、目指しました。学会発表に参加したり、科研費に申請して論文を投稿したりして、研究に携われるのも惹かれた理由のひとつです。

業務内容

少々特殊な業務なのですが、半導体関連の国家プロジェクトの一貫で他大学や企業との共同研究推進のため、九州の大学に東大分局を設置し、リエゾンとして出向しています。 クリーンルームのサイトや電気系の研究室のまとめサイトや工学部の新しいセンターのウェブサイトをデザイン、コーディングしたり、共同研究推進の動画やパンフレットを作成したり、共同研究を希望する企業との連携のための橋渡しとしての窓口の役割を担ったり、半導体や金属関係の研究や安全衛生関連の研究や学会発表やポスター制作や論文投稿をしたり、連携グッズを作成したり、業務は多岐に渡ります。 以前はクリーンルーム施設や装置の維持管理を主な業務としていましたが、コロナ禍に出勤出来なかった際に、スキルアップのための学習時間が確保でき、コーディング技術を身につけ、現在はウェブサイト関連の業務の比重が高くなりました。 OJTやプロジェクト研修を通じてLinuxやサーバーやコーディングの学習もしており、新しい技術や知識を身につける機会もあり、大変充実しております。 前職も他大学で技術職員をしており、ガラス細工や化学系の学生実習の支援補佐や職場体験学習の実施などを担当しておりました。大学には年間行事があるのでその時期に応じて対応する業務や求められる技術に変化がありますが、自分が身につけたものが日々増えて成長を実感できます。

身に付くスキル

装置の使い方や工作技術など、専門性の高いスキルが業務の中で身につきますし、OJTを申請すれば、例えばLinuxやコーディングなど、自分の身につけたい興味のあることに幅広く挑戦できます。ウェブサイトの制作では、依頼者との打ち合わせ、ペルソナの設定、デザイン、コーディングなどそれぞれの専門の人がいて業務が分担されているのが一般的なのですが、それら全てにメインで携わり大きな組織のサイトを作るという貴重な経験を何度もできました。サイトを作り上げるごとに、前回のものより洗練されたものを効率的に作れるようになり、自然と身につけたスキルに応じて新しい業務が舞い込んで来ます。 自身が得意とするwebデザインやコーディングの分野では特に、アイデアを採用していただいたり、新たなプロジェクトの立ち上げにメインに携われたり、年齢や階級に関係なく活躍できる環境です。 先生や上司に言われた業務をそのまま遂行するだけでなく、今必要とされていることはなにか、自分でするべき業務を見つけて行動する力も求められます。もっとこうなれば先生や学生さんが便利になるのではないか、外部の人が必要としているけれど掲載されていない情報はなにか、など色々な立場の人達の目線になって考えてものづくりに携わるとレベルが一つ高いものができると思います。

やりがい

同じ業種の人達とは、技術部会議やプロジェクト研修や委員会の活動などで月に1度は関わりますが、それよりも、先生方や学生さんや業者の方とのやり取りや、1人で職人のように黙々と何かを作り出す作業時間の方が多いです。自分が進めた業務や作り上げたものを業務が終わった後も学会発表などの形で発表でき、さらにそこでの意見交換などで改善点やヒントが貰え、次の業務に効率よく生かせます。黙々と1人で作業する集中力や分かりやすく資料にまとめて発表するプレゼン力や研究の発想力や産学官のそれぞれの立場の人と交流するコミュニケーション力など、求められるスキルは多いですが、その分やりがいや達成感があります。 また、自分の発案が形になることが実感できるのもやりがいを感じる一つです。熊大東大連携を盛り上げるグッズがあれば良いなと思ってアイデアを広報に相談したところ、両大学の広報や生協の方々が協力くださり、この度熊大生協と東大生協で正式に販売されることになりました。業務内容が研究やウェブサイト制作やガラス細工やグッズ制作など、本当に「ものづくり」という工学の分野は幅広くて奥深くて、技術職員は楽しいです。